アジア全体の外国人労働市場とは
アジア全体の外国人労働市場
日本では外国人労働者の話は話題になることは多いですが、アジア全体で見るとどうなっているのでしょうか?周りの国より賃金を外国人労働者に渡す金額が減れば、日本から外国人労働者がいなくなるような逆流も起こるかもしれません。アジア全体としての外国人労働市場を見ていければと思います。
1 欧米とアジアの違い
米欧では反移民の動きが強まっている半面、アジアは国境を越えた労働移動が拡大しています。新興国の若者が自国で高待遇の職に就くのは難しく、国外にチャンスを求める動きが強まります。少子化や人手不足に悩む韓国や台湾などが受け入れを拡大しており、人材争奪が激化しています。
2 米国の現状
反移民の動きが顕著なのは米国です。トランプ大統領の第2次政権が2025年1月に発足して以降、移民・税関捜査局の(ICE)が全土で不法移民を摘発し、国外送還する動きを強めています。高度専門職や留学生向けの査証(ビザ)発給も厳しくなっています。
3 英国の現状
英国も厳格化を発表しています。永住権申請に必要な期間を延長するほか、留学生が卒業後に滞在できる期間を短縮することにしました。難民は母国に戻れないかを定期的に審査して、一定の財産のある人には滞在費の負担を求めています。
4 ドイツの現状
ドイツはシリア難民を国外追放する案が浮上する。25年8月時点で95万人います。極右政党に国民の支持が流れることを警戒する。
5 アジアの現状
アジアは様相が異なります。アジア開発銀行研究所(ADBI)などの報告書によると、アジア新興国からの移住労働者は24年に、647万9000人に上りました。新型コロナウイルスの影響が薄れて急増した23年の694万4000人よりは少ないが、コロナまえを大幅に上回っています。
背景には若年層の失業がある。国際労働機関(ILO)によると、東南アジアや南アジアでは若年失業率が10%前後にも達します。高技能職の求人数が限られ、学歴があっても仕事にありつけません。以前から主要な出稼ぎ先だった中東湾岸諸国やシンガポール、マレーシアなどのほか延びているのは東アジアです。
6 韓国の現状
韓国は外国人労働者が25年5月時点で110万9000人と前年比9.8%増えました。非専門職向けの「雇用許可制」の受け入れが目立ちます。21年に5万人程度だった年間の受け入れ上限を3年で3倍に拡大した。25年は前年より減らして13万人としていますが、なお高水準となってます。
24年9月に専門・熟練外国人労働者10万人を5年以内に追加確保する方針を示しました。在留期間の上限がなく、永住申請や家族呼び寄せが可能な在留資格への変更について上限人数を年々拡大しています。
7 台湾の現状
台湾の外国人労働者数は24年12月に80万2000人となりました。25年5月に農業の受け入れ上限を1万2000人から2万人に拡大したほか、インドと覚書を締結してインド人の労働者の受け入れを始めました。
技能レベルが中程度の労働力の不足に対応するため、非熟練の労働移民をスキルアップさせるプログラムを22年に導入し在留者が急増しています。導入にあたっては日本の特定技能制度が参考にされました。日本が競合先として意識されています。
8 まとめ
東アジアの韓国と台湾の外国人労働者について書きましたが、各国の労働人口減に対する政策が見えます。日本もその中の一つとして、日本社会に溶け込めるように、また、欧米のような反移民の強い流れが生まれないように注意しながら見ていく必要があります。外国人労働者は、少子高齢化の日本では全く受け入れないのも非現実的ですし、さまざまな工夫や知恵を出しながらバランスを保っていけたらと願います。


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